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Q&Aコーナー

15.補聴器

15-1補聴器相談医とはなんですか?

補聴器相談医とは、一定の資格を満たした耳鼻咽喉科専門医を対象に、耳鼻咽喉科学会理事長が委嘱するものです。日本は、諸外国に比べ補聴器販売に関する規制が少ないため、補聴器販売において難聴者に不利益となる事例が発生しやすいといわれています。補聴器相談医は、このことを踏まえ、日本耳鼻咽喉科学会が作った制度です。補聴器相談医についての詳細は、学会のホームページをご覧下さい。

補聴器

15-2かめまクリニックでは補聴器を販売してくれますか?

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15-3補聴器販売の専門店に直接行ってはいけないのですか? 耳鼻咽喉科を経由して販売店に行くことのメリットは何でしょうか?

補聴器は、法律では管理医療機器となっており、製造販売業者および販売業者に対して、管理者の設置、等々の義務が課せられていますが、耳鼻咽喉科医を経由して購入しなければならないという決まりはありません。しかし、日本耳鼻咽喉科学会は、補聴器販売の在り方について、「補聴器は、難聴によるコミュニケーション障害の補完を目的とする医療機器であり、耳鼻咽喉科医の診断のもとに購入されるべきである」としています(日本耳鼻咽喉科学会 補聴器相談医の役割)。

補聴器購入に際し、補聴器相談医である耳鼻咽喉科医が関与することの利点としては、次の三つが挙げられます。まず、第一に、難聴の中には、中耳真珠腫や聴神経腫瘍など、補聴器を使う以前に、元の病気の治療を優先させなければならないものもあります。耳鼻咽喉科医が関与することにより、このような病気が隠れていないかどうか、難聴の原因を調べることができます。二番目としては、補聴器は比較的安価なものから極めて高価なものまで色々あり、形態や機能から分けられる種類も多く、どの補聴器を選ぶべきかが難しいということがあります。補聴器購入に際しての失敗を少なくするために、以上のような情報を、第三者の公平な立場から患者様にお伝えするということが、補聴器相談医の役割とされています。第三に、補聴器を購入された後、その補聴器の調整がうまくいっているかどうか、再調整の必要はないかなどを、医学的な観点からチェックすることも重要です。これも、また、補聴器相談医の役割のひとつです。

15-4補聴器を購入する際の注意点を教えてください!

まず、第一に、いきなり購入しないということです。充分に時間をかけて説明を聞き、色々な補聴器を実際に試してみることが大事です。また、できれば、借り出して実生活のなかで試聴してみられるとよいでしょう。補聴器店で耳につけて聞く場合と、実際の日常生活の中で聞く場合とでは、かなり聴こえ方が違います。二番目は、価格に惑わされないということです。補聴器は、数万円のものから数十万円のものまであります。この価格差は、簡単にいうと、他の電気製品と同じことで色々な付加機能がつけばつくほど高価になるという理解でよいと思います。その付加機能が本当に必要なものかどうかは、人それぞれです。したがって、高価な機種ほどよく聴こえるというわけではなく、あくまで、ご自分で聴いた耳の感覚を頼りに選んでください。三番目としては、最初から、両方の耳の補聴器を同時に購入する必要はないということです。補聴器メーカーや販売店は両耳装用(補聴器を両方の耳につけること)のメリットを強調し、割引制度も作り、両耳の同時購入を勧めます。勿論、音の方向感覚が得られるなど、両耳装用のメリットは確かにあるようです。しかし、一方で補聴器は馴れるまでに時間のかかるものです。まずは、どちらか片方の耳だけで始めてみて、その後、落ち着いてから、反対側の補聴器を考えるというやり方の方が、むしろ失敗が少ないようです。ちなみに、両耳とも難聴の方が、片方だけ補聴器をつける場合は、左右のより聞こえのよい方の耳につけるというのが原則です。

15-5補聴器を買ってから気をつけるべきことはありますか?

補聴器を使い出してから大事なことを三つあげると、第一は、なるべく毎日、一定時間使い続けるということです。補聴器は慣れが必要です。音が入らない静かな状態で長く過ごしていた方にとって、いきなり色々な音が入りだすことは、不快に感じられる場合もあります。毎日使うことによって、徐々に耳や頭を慣らしていくことが必要です。第二に、補聴器を通して聴く音で不満な点があれば、何度でも購入したお店に足を運び、再調整を試みてもらうということです。特定の音が響きすぎるとか、逆に、特定の音が聞こえにくいというような場合、補聴器の調整で改善できる場合があります。特に最近のデジタル補聴器は、特定の音だけを上げたり下げたりといったことが、かなり細かく調整できるようになっています。第三には、補聴器の限界を理解しておくということです。補聴器は、外界の音を大きくしてくれますが、言葉の明瞭度(分かりやすさ)はなかなか上がりにくいものです。また、健康な耳と違い、後ろからの話し声や、大勢のなかでの会話などは、聞き取りにくいものです。これらは、ある程度やむをえない部分もあるので、これらの欠点を理解した上で使用することが重要です。

15-6聴覚障害者の家族など、周囲の人が知っておくべきことがありますか?

15-5で書いた「補聴器の限界」については、補聴器をされている方のご家族など、周囲の方にも、よくご理解いただく必要があります。難聴の方は、たとえ補聴器をしたとしても、後ろからの呼びかけや、早口の会話などは、聞き取りにくいものです。必ず、正面から、口元を見せながら、ゆっくり、はっきり話すように心がけてください。足の悪い方が、松葉杖を買ったからといって、普通の人と同じように歩けるわけではありません。松葉杖の人と同行して歩く場合には、松葉杖の方の歩行速度に合わせてあげる必要があります。補聴器も、これと同じように考えてあげてください。