▼花粉症のメカニズム
▼治療薬について
▼治療について
春に大量に飛散するスギやヒノキの花粉を、毎年吸い込み続けることで、身体がその花粉のなかの抗原という物質に対して抗体を作り始めることがあります。花粉症の場合はIgE抗体がつくられます。IgE抗体は、樹状細胞、Tリンパ球、Bリンパ球などの相互作用で作られます。それらの細胞間の連絡は一連のサイトカインとよばれる物質でおこなわれます。
同じくらいの花粉を吸いこんでも、その抗原に対してIgE抗体ができるかできないか、また、どのくらいの量のIgE抗体ができるかには個人差があります。
生成されたIgE抗体は、マスト細胞という細胞の表面に固着します。この状態のことを「感作」といい、花粉症の症状を発症する準備段階ができたということです。
IgE抗体は、外から入ってきた異物を見つけて捕まえるための物質です。ある特定の抗原に感作された状態で、その抗原が身体に入ると、抗原が、マスト細胞表面のIgE抗体に吸い付けられます。一方、マスト細胞は、抗原がIgE抗体にくっつくと、細胞内にある色々なケミカルメディエーターとよばれる物質を細胞外に放出します。これを「脱顆粒」といいます。これらの種々のケミカルメディエーターが、アレルギー性鼻炎特有の色々な症状を引き起こします。
ケミカルメディエーターには、ヒスタミン、ロイコトリエン、PGD2 TXA2等の物質があります。このうち、ヒスタミンは花粉症の症状発現に最も重要な働きをする物質で、くしゃみ、鼻水、かゆみ、などをおこします。一方、ロイコトリエン、PgD2などは、鼻づまりなどの症状に関係します。