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各疾患の解説と症例集

嗅覚障害(においの障害)について

鼻腔図解鼻の入り口は小さな穴ですが、鼻の中(鼻腔)は、図1のように大変広くなっています。 この鼻の中の上の奥の方に、嗅粘膜とよばれる、においを感じる部分(図1の赤い部分)があります。

分類

嗅覚障害は、以下の三つ、またはこれらの合併に分類されます。
粘膜の腫れやポリープなどのため、においを伴った空気が嗅粘膜までたどり着けない嗅粘膜自体が障害を受けて、においを感じ取る力が弱くなっている頭の中の神経の障害で、においの情報が脳に届かない

診察と検査

まず、内視鏡などを用い、鼻の中にポリープなどがないかどうか等をみます。 ついで、静脈嗅覚検査(においの強いお薬を注射して、反応をみる検査)を行い、嗅覚障害の程度をみます。 頭蓋内の病気が疑われる場合は、頭のMRI検査等を行います(MRI等の検査は、済生会病院または赤十字病院へ依頼しています)。

ステロイド点鼻療法について

分類の1、2の場合に行われます。 ステロイド剤のひとつであるリンデロン液を、直接、嗅粘膜に滴下します。 鼻がつまっているとリンデロン液が嗅粘膜まで届かないので、まず、鼻のつまりをとる薬(ナシビン等)を噴霧し、その後でリンデロン液の点鼻を行います。
ナシビン等は、起きた状態で、下から鼻の穴の中に噴霧します(図2)。 その後、数分間待って、鼻の通りがよくなったと感じたら、リンデロン液の点鼻を行います。
リンデロン液は、目薬のように鼻の中に滴下します。 このとき、リンデロン液が確実に嗅上皮に届くよう、体位に注意します。 すなわち、図3のように横になり、肩に枕などをいれて、頭をなるべく後ろにそらした状態で点鼻を行います。 リンデロン液を点鼻した後は、数分間、そのままの姿勢を保ってください。 ステロイド点鼻療法を3〜6ヶ月継続すると、60〜70%の方が、症状が改善するといわれています。

ナシビン、リンデロン液点鼻図解