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Q&Aコーナー

8.副鼻腔炎(蓄のう症)

8-1副鼻腔炎とはどんな病気ですか?

顔の骨の中に、副鼻腔という空洞があります。副鼻腔は、頬骨の中、眼の内側、眼の上側など、鼻と両眼を取り囲むような場所にあります。頬骨の中の副鼻腔を上顎洞、眼の内側の副鼻腔を篩骨洞、眼の上側の副鼻腔を前頭洞といいます。また、これ以外に、鼻の一番奥と脳との間には、蝶形洞という副鼻腔もあります。各副鼻腔は、小さな穴で鼻の中(鼻腔内)とつながっています。鼻腔内に炎症がおこるのが鼻炎で、副鼻腔のなかに炎症がおこるのが副鼻腔炎です。慢性の副鼻腔炎のことを、俗に蓄膿症ともいいます。

また、近年増加している難治性の慢性副鼻腔炎のことを好酸球性副鼻腔炎といい、国の指定難病となっています。

8-2副鼻腔炎は、どうやって診断するのでしょうか?

まず、内視鏡を使って鼻腔と副鼻腔との交通路を観察することが重要です。副鼻腔炎になると、副鼻腔と鼻腔の交通路の部分の粘膜が腫れて狭くなったり、副鼻腔から膿が流れ出てきたりします。

副鼻腔炎をおこしているかどうかについては、内視鏡で副鼻腔の開口部を観察することにより、ほぼ診断ができます。内視鏡には、従来は一般的に使用されていたレントゲンのような被爆がないことに加え、副鼻腔の入り口の粘膜の腫れ方や膿の性状を実際に見ることができる利点があります。当院での内視鏡検査の詳細については、「内視鏡を使った診察について」をご参照ください。また、必要に応じてCT撮影によって診断する場合もあります。

8-3副鼻腔炎の症状を教えてください。

副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎に分けられ、それぞれ症状が異なります。まず、急性副鼻腔炎は、風邪などに伴っておこることが多く、鼻がつまり、色のついた粘り気のある鼻水が出ます。顔の痛みや頭痛、発熱などがみられることもあります。これに対して、慢性副鼻腔炎では、通常、顔の痛みや熱はありません。鼻水は、アレルギー性鼻炎などと違って、粘り気がありますが、一般に急性副鼻腔炎ほど濃い色の鼻水ではありません。急性副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎ともに、後鼻漏がよくみられます。後鼻漏というのは、比較的粘り気のある痰のようなものが、ノドに降りてくることをいいます。

8-4副鼻腔炎の治療法を教えてください。

急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎とで、治療も少し異なります。急性副鼻腔炎の場合は、細菌感染が主体なので、まず、殺菌力の強い抗生剤をしっかり使うことが重要です。抗生剤の種類としては、ペニシリン系、セフェム系、ニューキノロン系などを使います。これに対して、慢性副鼻腔炎の場合は、抗生剤よりも消炎酵素剤などの薬が主体となります。急性、慢性、いずれの副鼻腔炎も、鼻腔と副鼻腔との交通路が狭くなることが大きな原因のひとつといわれています。そのため、この交通路を広く開放させるような処置が大変重要です。慢性副鼻腔炎で、薬や処置を続けても治りにくい場合、手術が行われることがあります。

8-5急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎はどう違いますか?蓄のう症と呼ばれるものはどちらのことですか?

一般には、発症してから1ヶ月以内に症状が消失するものを急性副鼻腔炎といい、3ヵ月以上、副鼻腔炎の症状が続く場合を慢性副鼻腔炎といいます。この中間、すなわち1〜3ヵ月の間続くようなものについては、副鼻腔炎の状態や反復して起こす回数などによって、急性か慢性かに分けられますが、明確な基準はありません。一方、原因という観点からは、急性副鼻腔炎の場合は、細菌の感染が主な原因であるのに対し、慢性副鼻腔炎では、細菌の感染よりも鼻腔と副鼻腔との交通路が狭くなり、副鼻腔内の換気が悪くなっていることが主な原因とされています。副鼻腔に膿がたまった状態を、かつては蓄膿症(ちくのうしょう)とよんだことがありましたが、現在では、正式な医学用語ではありません。しかし、慢性副鼻腔炎を意味する俗称として使われています。

8-6好酸球性副鼻腔炎はどのような病気ですか?

近年増加している慢性的なアレルギー性疾患の一つであり、鼻の中に鼻茸(ポリープ)が多数発生することによって、嗅覚障害や鼻づまり、粘土の高い鼻水等の症状を引き起こす 病気です。白血球の一種である「好酸球」が過剰に集まって いることから好酸球性副鼻腔炎と呼ばれています。
ほとんどの例で気管支喘息を合併しており、好酸球性中耳炎を合併する場合もあります。

好酸球性副鼻腔炎は、一般に難治性で、手術をしても再発することが多いため、術後も継続的な治療が必要です。近年、好酸球性中耳炎に有効な生物学的製剤がいくつか保険適応になり、治療の幅が広がりました。

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