

耳が、つまったり、ふさがったりする感じは、音を感じる経路(外界の音が、脳の聴覚中枢まで伝わる経路)の、どこかに異常がある場合におこります。一般に、障害の程度が大きければ難聴感として自覚されますが、障害の程度が軽い場合、耳が詰まったような感じになることが多いようです。音は、外耳→中耳→内耳→内耳神経 の順に伝わりますが、耳が詰まったような感じは、外耳、中耳、内耳のいずれかの異常でもおこってきます。
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53才男性 左耳内所見 (耳垢除去前) |
53才男性 左耳内所見 (耳垢除去後) |
まず、耳の中を診察することで、外耳道の閉塞などの異常がないか、また、鼓膜に異常がみられないかを確認します。これらに異常がなければ、内耳の異常の可能性がありますので、聴力検査を行う必要があります。また、中耳の気圧の異常が原因でおこることもありますので、中耳圧を測定する検査を行ったり、鼻腔から中耳へ空気を通してみて、スムーズに通るかどうかを調べたりします。
症状が軽く、すぐに回復してしまったようなときには、そのまま様子をみられてよいでしょう。しかし、内耳に障害をおこしている場合には、あまり長く放置しておくと聴力が戻らなくなることがあるので注意が必要です。内耳障害の可能性を考えると、数日間つまったままの状態が続くようであれば、受診した方がよいと思われます。