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トピックス

花粉症の方へ

アレルギー性鼻炎の最良の対策は、よく知って頂くことです

かめやまクリニックの花粉症・アレルギー性鼻炎について解説したホームページです。

目次

  1. 花粉症(アレルギー性鼻炎)って、どんなもの?
  2. 花粉症(アレルギー性鼻炎)の治療の基本は?
  3. 花粉症(アレルギー性鼻炎)で使われる薬には、どのようなものがありますか?
  4. アレルギーを抑える薬(抗アレルギー薬)とは、どういうものですか?
  5. 抗ヒスタミン薬とは、どういうものですか?
  6. 各 抗アレルギー薬の価格と特徴について
  7. 医学的治療以外の対処法について

1.花粉症(アレルギー性鼻炎)って、どんなもの?

鼻の中(鼻腔)でおこる炎症を、鼻炎といいます.鼻炎は、ウィルスや細菌がおこすもののほか、アレルギーでおこるものもあります.

アレルギーも、その原因にはいろいろあります(ハウスダスト、スギ、ブタクサ、などの花粉、カビ、等々).アレルギーでおこる鼻炎のことを、すべてアレルギー性鼻炎といいます.

アレルギー性鼻炎のなかで、特に、スギ花粉でおこるものを、日本では花粉症といっています.(外国の花粉症は、また、それぞれの原因になる花粉がちがいます)

花粉症では、くしゃみ、はなみず、鼻づまり、の鼻の症状に、目のかゆみを加えた、4つが、最も多い症状です.しかし、このほかに、全身倦怠感、頭痛、頭重感、発熱、耳やのどのかゆみ、皮膚のかゆみ、など、多彩な症状をおこしてきます.

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2.花粉症(アレルギー性鼻炎)の治療の基本は?

鼻アレルギーガイドライン(2005年)では、治療の項目で、以下の3つの治療があげられています.これらが、花粉症治療の三つの柱となります.

 (1)薬の治療、
 (2)減感作療法
 (3)手術療法

(1)薬の治療 → このあとのページで、詳しくご説明します.

(2)減感作療法 → 古典的な治療ですが、現在でも唯一の根治療法として位置づけられています.原因となる物質を注射する治療です.低濃度からはじめて、徐々に濃度を上げていきます.最初のうちは、週1回のペースで、その後、間隔をあけながら、1年〜数年、継続します.最近では、注射ではなく経口的に行う方法なども始まっていますが、経口法についてはまだ試験段階です.

(3)手術療法 → アレルギー性鼻炎での鼻の症状は、主に、下鼻甲介というところの粘膜が腫れることによっておこってきます.そこで、この下鼻甲介に手術的な操作を加え、腫れにくくする治療です.かめやまクリニックでは、この治療を、高周波ラジオ波を用いたサージトロンという機器を用いて行っています.

(2)、(3)の治療について、ご興味のある方は、診察の際、医師にお尋ねください.

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3. 花粉症(アレルギー性鼻炎)で使われる薬には、どのようなものがありますか?

花粉症の治療で使われる薬には、大きな分類として、抗アレルギー薬とステロイド薬のふたつがあります.

また、剤型(薬の投与方法よる分け方)として、内服薬(のみ薬)、点鼻薬、点眼薬、に分かれます.

通常は、まず、内服薬(抗アレルギー剤)を使ってみたうえで、必要に応じて、点鼻薬や点眼薬などを併用するのが基本ですが、必ずしも、この基本にこだわる必要はありません.その方にとって、最もよく症状が改善する方法を探すことが重要です.

抗アレルギー薬については、この後の項目で、詳しくご説明します.
一方、ステロイド薬は、副作用に注意して使う必要があります.

「筋肉注射1本で、花粉シーズン中、無症状となります」というような話をきかれたことがあるかもしれません.これは、デポ・ステロイド剤(商品名 ケナコルト、デポ・メドロール など)の筋肉注射による治療です.

この治療は、確かに大変よく効きます.しかし、デポ・ステロイド剤は、一旦注射すると、数週間、体内に薬が残ります.このため、深刻な副作用がおこることがあります.

ステロイドの副作用のうち、重症のものを以下に列挙してみます.

感染症の誘発・増悪、消化性潰瘍、骨粗鬆症・骨折、精神障害、高血糖・糖尿病、血圧上昇・高血圧、高脂血症、動脈硬化、心電図異常、副腎不全、無菌性骨壊死、白内障、緑内障、血管炎、血栓症、筋力低下、筋萎縮 その他、軽症のものも数多くあります.

ステロイドの副作用は、注射>内服>外用薬(点鼻薬など)の順に軽くなります.点鼻薬などの外用薬では、上記のような重症の副作用をきたす可能性は、ほとんどありません.

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4. アレルギーを抑える薬(抗アレルギー薬)とは、どういうものですか?

アレルギーを抑える薬(いわゆる抗アレルギー薬)は、その働きの違いによって、以下のように分類されます.

 (1)抗ヒスタミン薬(第一世代、第二世代)
 (2)ケミカルメディエター遊離抑制薬
 (3)抗ロイコトリエン薬
 (4)抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬
 (5)Th2サイトカイン阻害薬

アレルギー性鼻炎では、アレルギー反応がおこると、鼻の粘膜の中に色々な化学伝達物質(ケミカルメディエター)が出てきます.

この化学伝達物質には、ヒスタミン、ロイコトリエン、プロスタグランジン、等々 沢山あります.これらが、それぞれ、また相互に働いて色々な症状をおこします.

この中でも、ヒスタミンが最も重要で、くしゃみ、かゆみ、みずばな、などを主におこしてきます.また、鼻づまりには、ヒスタミンの他にロイコトリエンなども関係します.

したがって、花粉症の症状を抑えるためには、まず、ヒスタミンの働きを抑える薬を使うことが効果的です.ついで、鼻づまりが、とくにひどいという場合には、ロイコトリエンを抑える薬を併用します.

主にヒスタミンの働きを抑える薬が抗ヒスタミン薬、ロイコトリエンの働きを抑える薬が抗ロイコトリエン薬です.ケミカルメディエター遊離抑制薬は、これらの化学伝達物質全体を出しにくくする作用を持つ薬ですが、効果は、他の抗アレルギー薬にくらべマイルドです.

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5. 抗ヒスタミン薬とは、どういうものですか?

アレルギーに関係する化学伝達物質のなかで、最も大きな働きをするのがヒスタミンです.このヒスタミンの作用を抑えるのが、抗ヒスタミン薬です.

抗ヒスタミン薬は、第一世代、第二世代にわかれます.

第一世代の抗ヒスタミン薬は、眠気などの副作用が強いため、最近はあまり使われません.ただ、市販の風邪薬には、この第一世代の抗ヒスタミン薬が少量含まれています.

第二世代の抗ヒスタミン薬は、眠気などの副作用を軽減させる一方で、ケミカルメディエター(化学伝達物質)遊離抑制などの効果も併せ持つといわれています.

抗ヒスタミン薬は、抗アレルギー薬のなかでも最も速効性があり、かつ、アレルギー性鼻炎の症状に幅広く効くので、第一選択として用いられます.色々なメーカーから多くの薬が出ています.

効果と副作用の面では、効果が強いが眠気も多少でるタイプ、眠気は少ないが効果もマイルドなタイプに分かれます.また、飲み方では、1日1回の薬と1日2回の薬に分かれます.価格も色々で、一部、ジェネリックが販売されているものもあります.

抗アレルギー薬は、以上の、効果、副作用、飲み方、価格 の4点で、選ばれるとよいでしょう.

次の項で、抗アレルギー薬の一覧表をお示しします.

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6. 各 抗アレルギー薬の価格と特徴について

図(各抗アレルギー薬の価格と特徴について)
図(各抗アレルギー薬の価格と特徴について)

○ 上記の表では、かめやまクリニックで主に処方している薬をあげています.上記にのっていない抗アレルギー薬もあります.
○ 眠気、効果は個人差が大きく、また、各抗アレルギー薬同士を厳密に比較した研究データはありません.上記の表中の「まあまあ」や「強い」は、あくまで一般にいわれている目安と考えてください.
○ 薬価がこれだけ違うのかと驚かれるかも知れません.抗アレルギー薬は、長くのみ続けることが多いので、選択に際しては薬価も重要な要素といえます.

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7. 医学的治療以外の対処法について

これまでに述べてきたアレルギー性鼻炎に対する医学的な治療以外に重要なことを、まとめてみました.

○ 抗原を回避すること

花粉の多い日の外出での、マスク、眼鏡は有効です.
屋内に花粉を持ち込まないために、外出からの帰宅時、玄関先で、まず、衣類の花粉を十分に払うようにしましょう.
花粉シーズン中、外に布団を干したり、大きく窓を開けると花粉を屋内に取り込むことになります.

かめやまクリニックでは、クリニックの患者様向けに、毎日の花粉情報をメールでお送りするサービスを行っていますので、ご利用ください.
また、花粉症に黄砂が加わると症状が非常に悪化しますので、黄砂情報にもご注意ください.

○ 食生活

アレルギーを抑えるための食事としては、菜食中心、肉と魚では、魚主体がよい.主食は米食、特に玄米食がよい.などが一般にいわれています.また、ヨーグルトなどの乳酸菌食品は腸の免疫系を通じてアレルギーを抑えるといわれています.
これらは、これまで経験的にいわれている部分が多かったのですが、最近は、徐々に科学的な裏づけとなるデータもでてきました.
昨年、米ぬかに含まれる抗アレルギー物質が確認され話題となっています.また、乳酸菌食品についての臨床試験で、実際にアレルギー症状を緩和させるものがあったという報告もあります.
一方、アルコールは、一般に鼻炎症状を悪化させます.

○ 睡眠・その他

睡眠不足は、生体内のホルモンの日内変動のバランスを崩すので、アレルギー症状を悪化させるといわれています.
ストレスがアレルギー症状を悪化させることについても、最近、いくつか報告があります.

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