
▼摂食・嚥下障害について
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摂食・嚥下障害について
「摂食・嚥下」とは食べ物を認識し、咀嚼し、飲み込む「過程」のことを指します。この食べ物を認識してから飲み込みまでの過程に障害がおこり、食物がうまく飲み込めなくなることを「摂食・嚥下障害」といいます。
特に嚥下の障害により、食物が気管に入ってしまうことを誤嚥といいます。脳血管疾患や頭頸部の疾患などによって、主に咽頭の働きが悪くなることにより誤嚥がおこりやすくなります。しかし、前述のように、特に病気にかからなくても、高齢になると嚥下機能が落ちてきて誤嚥をしやすくなります。また、認知機能の低下により食べ方の判断力が低下したり、口腔や歯の機能の障害により咀嚼の問題が生じるようなケースも含めた広い意味での飲み込みの障害を「摂食・嚥下障害」といいます。
摂食・嚥下運動は、食物の動きに合わせて「先行期・準備期・口腔期・咽頭期・食道期」に分けて考えることができます。
先行期 | 人は食物を視て匂いを感じることで、食欲を感じます。目の前の食事が安全であり何であるかを認識し、実際に食事を口に運ぶまでの時期のことをいいます。 |
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準備期 | 実際に口の中に取り込んだ食物を歯で噛むと同時に唾液と混ぜ合わせて飲み込みやすいように口の中で食物を塊にする時期のことをいいます。 |
口腔期 | 口唇を閉じて、食物の塊を舌によって口から咽頭へ送り込む時期のことをいいます。 |
咽頭期 | 食物が、咽頭から食道に入るまでの間の時期のことで、「ごっくん」と飲み込む段階をさします。 |
食道期 | 食物が食道に入り胃に運ばれる時期のことです。 |
以上述べた5つの段階のうち、臨床的に最も重要なものは「咽頭期」です。咽頭期は時間的には約1秒と、とても短いのですが、誤嚥は、主にこの時期の障害によりおこります。