嚥下障害|かめやまクリニックの嚥下障害外来について

かめやまクリニックについて

摂食・嚥下障害について

嚥下機能の検査

嚥下機能の検査には、嚥下内視鏡検査(videoendoscopic examination of swallowing :VE)と、嚥下造影検査(videofluoroscopic examination of swallowing :VF)の二つがあります。

嚥下造影検査は、X線を照射しながら造影剤を飲み込む検査です。口の中から、のどを通り食道まで、造影剤がどのように流れていくかを見ることができます。

下に示す
@「嚥下造影検査_正常例」では、造影剤がのど(咽頭)から食道へスムーズに流れる様子が観察できます。
A「嚥下造影検査_嚥下障害例」では、造影剤がのどに停滞し、なかなか食道に流れていかない状態を示しています。

動画@「嚥下造影検査_正常例」

動画A「嚥下造影検査_嚥下障害例」

嚥下内視鏡検査は、鼻咽腔内視鏡を鼻からのどに入れ、実際にものを飲み込む状態を内視鏡で観察する検査です。飲み込むものとして、通常は、青く着色した水などが使われます。

下の
B「嚥下内視鏡検査_正常例」では、嚥下障害がない場合の嚥下内視鏡検査所見と示しています。水を飲み込んだ瞬間に一瞬画面全体が真っ白になり、次の瞬間には元と同じ気管と食道の入り口が見えるようになります。このとき、のどを通過する青く着色された水は、ほとんど見えません。
C「嚥下内視鏡検査_嚥下障害例」では、先の「嚥下内視鏡検査_正常例」と異なり、飲み込みに際し、まず青い着色水が咽頭に流れ込んでその後で咽頭全体が閉まっていく様子が観察されます。これは、咽頭反射の惹起遅延と呼ばれ、飲み込みの反射が悪いために嚥下障害を起こしている場合に見られる所見です。

動画@「嚥下内視鏡検査_正常例」

動画A「嚥下内視鏡検査_嚥下障害例」

嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査、ともに利点、欠点があります。しかし、嚥下内視鏡検査は、嚥下時の咽頭の状態を直接に目で観察できる唯一の検査であり、さらに、@被爆がないこと、A耳鼻咽喉科の外来で簡単に検査ができること、B何度でも繰り返して行うことができ、その結果を比較することができることなどの利点があります。このため、日本耳鼻咽喉科学会による「嚥下障害ガイドライン」では、まず、嚥下内視鏡検査を行い、その後、必要に応じて、嚥下造影検査を追加するということになっています。

当院でも、この学会ガイドラインに従い、嚥下障害が疑われる患者様に対しましては、まず、嚥下内視鏡検査を実施しています。

「嚥下訓練(リハビリ)について、嚥下障害の外科的治療について」 →次のページへ