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Q&Aコーナー

1.急性中耳炎

1-1急性中耳炎の症状はどんなものですか?

急性中耳炎の最も特徴的な症状は、耳の痛みと発熱です。軽症の場合は、痛みが軽く、熱が出ないこともあります。乳児の場合は、痛みを訴えることができないので、泣いたり、ぐずったりするようになります。しばしば、風邪の後に引き続いておこってきます。

急性中耳炎でも、その他のタイプの中耳炎でも、中耳の状態は、鼓膜をみるとよく分かります。当院では、内視鏡を用いて鼓膜を観察し、患者様にも見ていただくとともに、画像をデジタル保存しております。治療期間中、前後の状態を画像で比較することにより、治療がうまくいっているかどうかを確認するようにもしています。当院での内視鏡検査の詳細については、「内視鏡を使った診察について」をご参照ください。

2才女児 右急性中耳炎 4才男児 右急性中耳炎

1-2急性中耳炎の治療法を教えてください。

急性中耳炎は、ほとんどが細菌によっておこるので、まず抗生剤を使うのが基本です。最近では、耐性菌(抗生剤が効きにくく変化した菌)による中耳炎が増えているので、抗生剤の選択や量に注意が必要です。しかし、軽症のものやウィルス性が疑われる中耳炎に対しては、どこまで抗生剤を使うかについて、現在、研究者のなかでの議論があります。ただし、いずれの場合も、鼻炎や副鼻腔炎に引き続いておこることが多く、鼻の治療が重要です。また、重症の中耳炎では、抗生剤を含む内服薬による治療に加え、鼓膜切開を行った方がよい場合もあります。

1-3急性中耳炎になると鼓膜切開をすると聞いたんですが、大丈夫なんですか?

鼓膜切開の最も大きな効果は、痛みや熱の症状が早く改善するということです。また、急性中耳炎では、中耳という狭い空間の中に菌が繁殖して、膿がたまってきます。そのような状態で抗生剤を使うよりも、膿を出して、菌の総量を減らしたうえで抗生剤を使う方が効果的です。また、鼓膜切開することによって中耳の中に空気が入るという効果も重要です。中耳のなかに空気が入ることによって、中耳の状態が早く正常化します。切開した創は、一般には数日で閉じてしまい、後遺症を残すようなことはありません。詳しくは、「鼓膜切開Q&A」をお読みください。

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1才女児 左急性中耳炎
鼓膜切開前
  1才女児 左急性中耳炎
鼓膜切開後

1-4急性中耳炎が治りかけて熱がさがったんですが、プールに入ってもいい?

ケースバイケースです。鼓膜に穴が空いていたり、切開した創が残っていたりする場合は、入らないほうがよいでしょう。鼓膜の状態が良好であれば問題はありません。ただし、鼻の悪い子供さんは、プールに入ることによって鼻の状態が悪化する場合があります。そうすると、中耳炎の治り方も悪くなります。

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