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Q&Aコーナー

2.滲出性中耳炎

2-1滲出性中耳炎は家庭ではどうやって見つけるのですか?

滲出性中耳炎が乳幼児におこった場合、急性中耳炎と違って、多くの場合、目立った症状がありません。普通は、聞こえが悪くなるので、テレビの音を大きくして見るようになったり、呼びかけに対する反応が悪くなったりします。5〜6歳になると、自分で耳がおかしいと訴える場合もあります。

2-2滲出性中耳炎と急性中耳炎はどう違うのですか?

急性中耳炎では、中耳に、細菌が繁殖して膿がたまります。そのため、鼓膜は外側に向かって膨れてきます。これに対して、滲出性中耳炎では、中耳と外界との換気が悪いため、中耳の中の空気が少なくなっているので、鼓膜が内側(中耳側)に引っ張られ、引っ込んでいます。また、滲出性中耳炎では、中耳の粘膜から滲みだした液体が中耳のなかに溜まります。急性中耳炎が治る過程で滲出性中耳炎に移行する場合があり、逆に、滲出性中耳炎が長く続くうちに、菌が入って急性中耳炎に移行する場合もあり、また、両者の中間のような状態もあります。

2才男児 左滲出性中耳炎 4才女児 右滲出性中耳炎

2-3滲出性中耳炎の先生のクリニックでの治療法を教えてください。

滲出性中耳炎は、中耳の換気が悪くなるためにおこります。鼻の粘膜が腫れたり、鼻汁が鼻の奥の方にたまる状態が長く続くと、中耳の換気が悪くなってきます。そこで、滲出性中耳炎の治療としては、まず、鼻の状態をよくすることが先決です。このため、鼻の状態を改善するお薬の内服や、鼻の吸引などの処置を行います。これらの治療を行っても、中耳にたまっている液がどうしても引かない場合には、鼓膜切開をして、中耳の液を吸引除去します。また、幼児期には、鼻の奥のアデノイドが大きくなり、これが、耳管の入り口を塞ぐために中耳炎が治りにくいことがあります。このようなときには、手術でアデノイドを取ると、中耳炎がよくなります。

2-4滲出性中耳炎はどれくらいで治りますか?

ケースバイケースで、一概にいえません。元々、鼻が悪くなくて、アデノイドもさほど大きくないような子供さんが、たまたま風邪を引いて滲出性中耳炎をおこしたというような場合は、比較的短期間で治ります。しかし、慢性的に鼻が悪い子供さんやアデノイドの大きな子供さんの場合、なかなか治りにくかったり、一旦治っても再発しやすかったりします。どうしても完治しないという場合、鼓膜換気チューブ挿入術という手術が有効です。

疾患の解説と症例集