舌下免疫療法に対して、マスコミなどの報道で、「花粉症や（ダニが原因の）アレルギー性鼻炎が完全に治る新しい治療法！」というイメージを持たれている方もおられます。しかし、治療の原理としては、古くから行われている皮下注射による特異的減感作療法とほぼ同じといえますし、治療効果も、皮下注射による特異的減感作療法とほぼ同等といわれています。
ただ、注射をしなくてもよいこと、ご自宅でできることが、画期的です。また、口腔やのどにおこる軽微な副作用はありますが、アナフィラキシーなどの重篤な副作用が、皮下注射による治療と比べ、極めて低いという点も利点です。

これらの舌下免疫療法の背景をご理解いただいた上で「花粉症や（ダニが原因の）通年性アレルギー性鼻炎を克服するために舌下免疫療法を受けてみたい」とお思いになられた方に一つのお願いがあります。

それは、ご自身が「治療を続ける覚悟」を持って頂きたい、ということです。

この治療が一般的な治療と異なるのは、「長期間、日々の投薬の積み重ねが治療成果につながる」ということなのです。そのために、毎日の生活の中にいかに治療薬の投薬を組み込んで頂くか？が治療成果を高めるためには大切なのです。

治療を続けるためのワンポイントアドバイス
・毎日薬を服用するタイミングを決める（朝、歯を磨くときetc）
・２週間に１回〜1か月に1回、通院するための曜日を決める（第１・３週目の土曜日etc）
歯を磨くのは多くの方が１日２〜３回は行われているでしょう。それらは特に意識することなく、習慣としてすでに皆さんの生活の一部となっているはずです。

この治療も同様に、習慣化して頂き、「日々、治療薬を服用することが当たり前である」という状況になれば、違和感なくなおかつ、無理することなく治療を続けることができます。

上記をご理解頂いた上で、舌下免疫療法をご検討頂ければと思います。