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めまいの種類

めまいの種類には、どういうものがあるか?

日本めまい平衡医学会が作成した、「めまいの診断基準化のための資料」というものに挙げられている、めまいの原因となる病気の一覧を、表1に示します。また、一方、トーマス・ブラントという研究者の書いた「Vertigo (めまい)」という本目次で取り上げられている、めまいを起こす病気を抜粋したものを、表2に示します。前者は日本の研究者によって作られたもので、後者は、欧州の研究者によるものです。この両者を比べてみると、一部に相違はあるものの、大体、同じような内容になっていることが分かります。

表1

めまいの診断基準化のための資料

  1. 慢性中耳炎由来の内耳障害
  2. メニエール病
  3. 遅発性内リンパ水腫
  4. めまいを伴う突発性難聴
  5. 外リンパ瘻
  6. 前庭伸経炎
  7. 良性発作性頭位めまい症
  8. 中枢性頭位めまい
  9. 薬物による前庭陣害
  10. 内耳梅毒
  11. ハント症候群
  12. 聴神経腫瘍
  13. 椎骨脳底動脈循環不全
  14. 血圧異常によるめまい
  15. 頸性めまい
  16. 心因性めまい

日本めまい平衡医学会ホームページ

表2

トーマス・ブラント著『めまい』
目次から抜粋

  • 前庭神経炎
  • Meniere病
  • 外リンパ瘻
  • 末梢性前庭発作症
  • 両側性前庭機能障害
  • その他の前庭神経、迷路障害
  • 良性発作性頭位めまい症
  • 中枢性頭位眼振
  • 脳卒中とめまい
  • 片頭痛とめまい
  • 高粘稠度症候群とめまい
  • 頭頸部外傷
  • 気圧外傷によるめまい
  • 医原性前庭障害
  • 家族性周期性運動失調
  • 小児期のめまい
  • 薬物とめまい
  • 精神疾患とめまい
  • 恐怖性姿勢めまい

このように、めまいを起こす病気は、多岐に亘りますが、このような病気の種類を考える場合に重要なのが、それぞれの病気が、どのくらいの頻度で起こるのかということです。これらの病気のなかには、非常に発症頻度の高いものから、滅多に診られることのない、とても稀な病気もあります。そこで、その病気がおこる頻度から見ていくと、他の病気に比べ、群を抜いて多いのが「良性発作性頭位めまい症」という病気です。中枢性めまいまで含めた全てのめまい症例のうち、約半数がこの病気であるといわれています。そして、次に多いのが「メニエール病」です。この二つの病気以外のものは、いずれもこれらに比べると、かなり発症頻度が下がります。

この良性発作性頭位めまい症とメニエール病は、全く違う病気ではありますが、いずれも@内耳の病気であり、Aめまいの原因としてとても多い、という共通点があります。そして、その他に、この二つの病気については、いずれも、Bこれまで、膨大な研究がなされていて、その病態が大体わかっている。C診断する上での検査や治療の方法が、ある程度確立されている というような特徴があります。

さて、以上のことを踏まえると、めまいの診療では、まず、大きく、(1)良性発作性頭位めまい症、(2)メニエール病、(3)それ以外のめまい の3つに分けて考えていくのが効率がよいといえます。

 

良性発作性頭位めまい症とメニエール病の共通点

  1. どちらも内耳の病気である
  2. めまいの原因のなかで発症頻度が非常に多い
  3. 病態が、大体わかっている
  4. 診断法や治療の方法が、ほぼ確立されている

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