まず、外耳道や鼓膜の状態の診察に加えて、聴力検査(標準純音聴力検査)を行います。同時に、問診で、どのような耳鳴があるのかなどをお聞きします。その後、必要に応じて、鼓膜の動きを調べる検査や内耳障害の有無を調べる検査などを行う場合があります。さらに、必要があれば、聴神経や脳の中を調べるための画像検査(MRIなど)が行われることもあります。当院で、耳鳴の診察をする場合に、通常行われる検査の一覧を、図2に示します。
標準純音聴力検査 | 音の聞こえ方を調べる検査です 耳鳴の診察では、最も重要な検査です |
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耳鳴検査 | 耳鳴の音の大きさや高さを調べる検査です |
SISI | 内耳の障害があるかどうかを調べる検査です |
ティンパノメトリー | 鼓膜や中耳の病気の有無を調べる検査です |
側頭骨CT検査 | 耳小骨という骨や内耳の形の異常の有無を調べる検査です |
頭部MRI | 聴神経や脳の異常の有無を調べる検査です |
頭部MRA | 脳の血管の異常の有無を調べる検査です |
上記の検査は、必要に応じて取捨選択して行います。
全ての方に、全部の検査を行うわけではありません。
頭部MRI、頭部MRAは、総合病院の放射線部に依頼して行います。
聴神経腫瘍や脳の血管の病気が原因でおこっている耳鳴の場合は、MRIの検査などで診断が確定する場合があります。しかし、耳鳴全体のなかで、これらの病気が原因となっているケースは比較的稀です。耳鳴の原因として最も多いとされる内耳の障害は、MRIの検査などでは分かりません。