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山口県山口市の耳鼻咽喉科かめやまクリニック

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コラム

【豆知識】花粉の飛散量の測定方法

かめやまクリニックでは365日花粉の飛散量を測定しています。ここでは、花粉の飛散量を測定する方法についてご説明します。花粉飛散量を測定する方法には、いくつかありますが、最も一般的に行われているのは、ダーラム型花粉補集器というものを使って測定する方法です。(かめやまクリニックでもこちらの方式を採用しています。)これは2枚の円盤の間に、台が付いていて、そこにスライドグラスを載せるものです。スライドグラスには予めワセリンを塗っておきます。それを24時間戸外で放置した後、スライドグラスを回収し、染色液を掛けてカバーグラスを置いて顕微鏡で観察します。カバーグラスは1.8cm×1.8cmのものを使用し、その中にある花粉全てをカウントした後それを1?あたりに換算します。すなわち、1.8の二乗で割ります。
この数がその前日の花粉飛散数ということになります。
花粉情報などで、「昨日は○○個の飛散でした」などといわれることがありますが、この個数は上記の方法で計算された個数のことです。また、花粉予測で、「今シーズンの花粉飛散数は、3000個くらいになりそうです」などということが言われることがあります。これは、仮に毎日ダーラム型で測定を行い、上記の方法で花粉数を計算したとして、シーズン中の毎日の個数を合計した数が、3000個くらいになるということを意味しています。
このように、花粉飛散数を表現する方法としては、上記の方法が日本の標準的な方法となっています。
しかし、花粉を捕集するための器具としては、ダーラム型花粉捕集器以外にもいくつかあります。例えばバーカード型花粉捕集器というのはポンプで外気を吸い込むような仕組みになっており、さらに内部には24時間で1回転するドラムが取り付けられています。このドラムにワセリンを塗ったテープを巻きつけ24時間ごとに回収してテープ状の花粉を測定します。この方法の利点は、経時的な花粉量の変化がわかる事です。この方法で測定された花粉数は、ダーラム型で測定したものよりもずっと大きい数になります。しかし、いずれも、人間が顕微鏡を用いて数を数えるということでは共通しています。
一方、これらに対して、最近では花粉を機械的にカウントする方法も出てきました。
環境省花粉観測システムの「はなこさん」という機械や、民間気象情報会社ウェザーニューズが使っているポールンロボという機械などです。
これら機器の利点はリアルタイムで花粉の増減がわかるということです。一方、花粉と同じ大きさの異物なども一緒に花粉として認識されてしまうなど、人間が測定する場合に比べると精度の点ではかなり劣ります。また、機械の測定では、スギ花粉とヒノキ花粉の区別などもできませんので、スギ・ヒノキのシーズン中の花粉数は、スギ花粉とヒノキ花粉を合計したものが測定されます。

【豆知識】花粉の飛散と来院患者数の相関

スギシーズンに、スギ花粉の飛散が急速に増えるとそれから1日から数日して、花粉症で来院する患者さんが急速に増える、という傾向が全国の耳鼻咽喉科を始めとする医療機関でみられます。
ただ、最近では花粉の初期療法などについての知識も広まってきたため、花粉が飛んでいない時期から受診される方も増えてきましたので以前ほどスギ花粉との飛散と医療機関を受診される患者さんの推移がぴったり一致することがなくなってきました。

【豆知識】山口県での花粉飛散の時期について

桜前線が移動していくのと同じように、スギ花粉の飛散する時期も、地域によって異なります。山口県でのスギ花粉の飛散は、大体、次のようになります。

スギ花粉の初観測日:1月中旬〜下旬
スギ花粉の飛散開始日:2月上旬〜中旬
スギ花粉の終息時期:3月上旬
スギ花粉の終息時期とヒノキ花粉の開始時期が大体重なります。

スギ花粉初観測日とは、その年初めてスギ花粉が測定された日のことをいいます。
スギ花粉の飛散開始日とは、同一測定施設で、1月以降にスギ花粉が1cm2当たり1個以上捕集される日が、原則として2日以上続いた最初の日のことをいいます。
ただし、これらは年によって大きく異なります。
飛散時期に最も大きい影響を与えるのが、1月に入ってからの日々の気温です。すなわち暖かい日が続くと飛散開始が早くなりますし、寒い日が続くと飛散の開始は遅くなります。