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山口県山口市の耳鼻咽喉科かめやまクリニック

アレルギー性鼻炎解説サイト

対策について

サージトロン治療(下甲介粘膜焼灼術)

サージトロン治療とは

前述の鼻アレルギー診療ガイドラインの3つの柱のうちのひとつである、手術療法に分類されるもののひとつに、下甲介粘膜焼灼術という術式があります。この手術をサージトロンという装置を使って行うのが、サージトロン治療です。下甲介粘膜焼灼術自体は、サージトロンの他、レーザー、超音波メス、の他、後述のトリクロール酢酸などを使って行うこと場合もあります。

アレルギー性鼻炎に対する色々な手術のうち、下甲介粘膜焼灼術(サージトロン治療)は入院を必要としない、外来のみで手軽に行うことのできる手術です。

アレルギー性鼻炎の特徴は、鼻の中の下鼻甲介の前端でアレルギー反応が起こり、最初に、ここが腫れることによって鼻づまりや鼻水などの症状が出ます。

サージトロン治療では、この下鼻甲介の前端を高周波の電気で焼灼することにより、粘膜でのアレルギー反応を起こりにくくさせます。

サージトロン治療の手順

まずは治療の前に下鼻甲介の前端の焼灼だけで症状が改善されるのかどうかを確認するために、内視鏡を使って鼻の奥まで丁寧に調べます。

例えば慢性の炎症の為に鼻の奥が極端に腫れていたり、鼻の奥にポリープができていたりした場合、サージトロンで下鼻甲介の前端のみ治療をおこなってもその方の症状を改善させることはできません。このような場合にはサージトロンに代わる、他の治療を検討します。

サージトロンで症状が改善できそうだということが分かった場合、次のような手順で治療を行います。

  1. @まず、最初に鼻の粘膜に局所麻酔を行います。
  2. Aこれは麻酔液を浸み込ませたガーゼを鼻の中に充填させることによって行います。
    この作業を2回繰り返しますが、この間に30〜40分の時間をかけます。
  3. Bその後、ガーゼを全て抜いた後に下鼻甲介の粘膜下に局所麻酔液を少量注射して
    下鼻甲介の粘膜の表面を膨らませます。
  4. Cそしてその膨らんだ部分をサージトロンという器械を使って焼灼してゆきます。
  5. D両側とも3箇所程度針を刺入して焼灼を行います。
    (通常痛みは殆どありませんが、少し焦げ臭いにおいがする場合があります。)
  6. E両方の焼灼にかかる時間は5〜10分です。
  7. Fその後は出血などが無いかを確認し、治療を終わります。
  8. G手術後は一時的に鼻づまりがひどくなる状態が、数日間続きます。その後は徐々に鼻づまりがとれて快方に向かいます。

回数や費用について

保険の適用がありますので、
1回にかかる費用(両方のお鼻を同時に手術した場合)は、3割負担の方で6千円程度です。ただし、手術の前に、手術適応の有無などについての検査(内視鏡検査、鼻腔通気度検査 等)を行います。これらの検査費用は、3割負担の方で3千円程度です。

回数は通常は1回で終わりますが、人によって1回の治療で不十分な場合、2〜3週空けて2回目の治療を行うこともあります。
(1か月以内に、同じ側に複数回の手術を行った場合は、2回目以降の費用は頂いておりません)

患者様のご希望で片側の鼻ごとに2回に分けて行うこともあります。この場合には、その度に片側ごとの費用(約3千円)が必要です。