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山口県山口市の耳鼻咽喉科かめやまクリニック

アレルギー性鼻炎解説サイト

アレルギー性鼻炎とは?

季節性の花粉症

季節によって異なる花粉

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春:スギ科、ヒノキ科、ハンノキ属
秋:ブタクサ属、ヨモギ属、カナムグラ
その他:イネ科(イネ科は種類が多く、花粉はほぼ通年性に不定期に観測される)

山口市の近隣の花粉について

全国的な植林の流れで山口市内においても、スギ、ヒノキ花粉は多く見られます。ハンノキ属の花粉は、スギ、ヒノキに比べると量は少ないのですが、ほぼ同じ時期に重なって観測されます。ネズは、ヒノキ科の植物で、ヒノキに引き続いて少し後まで飛散します。光学顕微鏡では、ヒノキ花粉とネズ花粉は区別ができません。抗原性も共通のものがあるようです。

スギ花粉は、年々増加傾向にあります。一方、ヒノキ花粉は、スギよりもさらに増加傾向が強く、将来的にはスギと逆転するかもしれないともいわれています。このことを反映して、かつては花粉症はスギシーズンに限られていたのが、最近では、ヒノキ花粉症を併発して症状が長期に続く方が増えています。また、近年、黄砂の影響でスギやヒノキのシーズンに症状が増悪する方や、飛散が終わった後も症状が続く方も増えています。

また、毎年、スギ花粉でアレルギーをおこしておられた方々が、後にイネ科花粉症や秋の草木(例:ブタクサなど)の花粉症を併発してきてくるというパターンもよくみられます。

なぜスギ花粉症の方が多いのか?

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日本では戦後全国的にスギの植林が盛んにおこなわれました。
それらのスギが生育し、花粉を大量に飛ばすようになった為、昭和50年代ごろよりスギ花粉症を発症する人が増えてきました。現在、スギとヒノキを合わせた人工林の広さは、7.1万km2といわれており、これは、日本国土全体37.7万km2の約19%になります。しかも、その多くが大量花粉を飛ばし始めるとされる樹齢30年以上を経過した木々となっています。

沖縄や北海道についてはスギ林が少ないため、他県に比べるとスギ花粉症は少なくなっています。しかし、北海道ではシラカバの木が多いため、シラカバ花粉症が多くみられます。

黄砂と花粉症の関係について

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毎年スギのシーズン(山口では2〜3月)から夏にかけて特に、西日本には黄砂が大量に飛んできます。
黄砂による健康被害は日本だけでなく東南アジア全体で大きく取り上げられるようになってきています。
黄砂自体はアレルギーの抗原にはならないのですが、黄砂が粘膜に付着するとその刺激でアレルギー性鼻炎と似たような症状を起こしてきます。また、元々アレルギー性鼻炎の症状のある方は、黄砂が加わるとその症状が一段とひどくなります。具体的には、アレルギー性鼻炎に加えて副鼻腔炎を併発しやすくなり、また、目や咽喉の症状を強く起こす割合が増えてきます。

スギ花粉については日本全国で日々の飛散状況を詳細に調べるシステムが確立されていますので、スギ花粉飛散量と出現する症状との関連についても、かなり詳細に研究されています。一方、黄砂については、唯一、環境省によるライダーという装置で調べる仕組みがありますが、これは花粉情報に比べるとかなり大ざっぱな指標に過ぎず、健康被害との関連を詳細に研究するレベルにはなっていないのが現状です。黄砂と鼻やのどの症状との相関については、これからの課題といえます。

ただ、前述のように、花粉については、その飛散状況を詳細に調べる仕組みが確立されています。このため、鼻などの症状の推移を、花粉飛散の推移と比較することで、主に花粉が関与している鼻炎なのか、または、花粉以外の原因がありそうかということは、かなり正確に推測できます。

逆に、花粉の飛散量の推移が正確に分かっていないと、花粉症による症状なのか、普通の風邪なのか、また、黄砂が関わったものなのか等が判定できません。幸い、山口県では、県医師会の花粉情報委員会が中心となり、山口県全体の花粉の飛散状況を詳細に調べる仕組みが出来上がっています。かめやまクリニックもこの花粉情報委員会の花粉測定施設の一つとして日々の花粉を測定しており、シーズン中は、その情報を花粉情報委員会へ報告する一方で、自院での診療にも役立てています。